法定離婚原因がなくても、相手方が離婚に応じてくれれば、離婚をすることができます。
この点、相手方がどうしても離婚に応じてくれない場合、離婚訴訟で離婚を認める判決を得るためには、法定離婚原因に該当することが必要です。
法定離婚原因は、以下のとおりです(民法770条1項)。
【法定離婚原因】
①不貞行為。
②悪意の遺棄(正当な理由なく働かない、生活費を渡さない、同居を拒否するなど)。
③3年以上の生死不明。
④回復の見込みがない強度の精神病。
⑤その他離婚を継続しがたい重大な事由(長期間の別居、暴力(DV)、犯罪による長期懲役などにより、夫婦関係が破たんした場合)。
しかし、相手方が離婚に応じてくれるのであれば、離婚に至る理由のいかんを問わず、離婚を成立させることができます。
この場合、法定離婚原因がなくても構いません。
法定離婚原因は、あくまでも、離婚訴訟の判決により強制的に離婚を成立させる場合に要求されるものなのです。
また、相手方が離婚に応じてくれない場合であっても、弁護士に依頼して交渉するなどすれば、離婚を成立させられることは多くあります。
例えば、現時点では別居して間もなくであるため、法定離婚原因には該当しないものの、別居状態のまま数年間経過すれば、いずれは法定離婚原因ありと判断されるようになることが想定されます。
そのような見通しから、夫婦間で離婚条件(子どもに関する条件やお金に関する条件)について合意できれば、相手方が離婚に応じてくるということもよくあるのです。
相手方が離婚に応じてくれないためにお困りの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。