事案内容:離婚
依頼者:30代の女性(別居時は専業主婦。その後、会社員)
相手方:40代の男性(会社員)
結婚歴:2年
子ども:3人(そのうち、相手方と養子縁組をしていた子が2人)
1 夫婦の状況
依頼者は、夫(相手方)のモラハラや過度な飲酒が原因で離婚を決意し、離婚の意思を伝えました。
しかし、相手方がこれに応じなかったため、依頼者が子ども達と家を出て、別居に至りました。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は、相手方に対して離婚を切り出しましたが、相手方は離婚を頑なに拒否するとともに「親権は渡さない」「財産分与をする場合には不利になる」「弁護士はたてるな」などと高圧的な主張をしてきていたため、話し合いでは円満に離婚することが困難な状況となっていました。
そのため、依頼者は、離婚に向けた手続を弁護士に任せたいとのことで、当事務所にご相談・ご依頼いただきました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士は、ご依頼を受けた後、速やかに相手方に対し、離婚と親権、相手方が養子縁組をしていた依頼者の子どもに関する離縁の意向を記載した書面を送付しました。
相手方からは、こちらの意向には応じないとの回答がありました。
そのため、当事務所の弁護士は、このままでは離婚の話し合いが円滑に進まないと考え、依頼者と協議の上、家庭裁判所に離婚調停、離縁調停、婚姻費用分担請求調停を申し立てました。
4 当事務所が関与した結果
当事務所の弁護士は、調停手続において、相手方のこれまでのモラハラだと評価され得る言動を証拠として提出するとともに、依頼者が相手方に対して強い恐怖心を抱いており、離婚の決意は固いことを主張し、相手方にその理解を求めました。
また、婚姻費用については、適正な金額を支払うように求めました。
もっとも、相手方は、依頼者の恐怖心や離婚の意向を聞き入れることはなく、婚姻費用の支払にも応じる意向はない旨主張し、他方で、子どもとの面会交流を求める調停手続を申立ててきました。
そのため、離婚調停、離縁調停については、依頼者と協議の上、調停不成立としました。
また、当事務所の弁護士は、面会交流に関して、①相手方の従前の言動に鑑みて、子どもとの面会交流は、子どもの健全な発育に悪影響を及ぼしかねないこと、②子どもの年齢に鑑みると依頼者の同席が必須となるが、相手方は依頼者の強い恐怖心に理解を示していないこと、の2点から、面会交流の実施は望ましくなく、かつ、現実的に実現が困難であることを主張しました。
さらに、婚姻費用分担調停手続については、審判手続に移行しました。
その結果、面会交流調停については、依頼者が相手方に子どもの写真を年4回程度送る内容で、合意することが出来ました。
また、婚姻費用については、審判に移行した結果、依頼者が無職だった期間は月額12万円、就職した後は、月額10万円と定められました。
なお、婚姻費用について、審判後に当事務所の弁護士から複数回にわたって支払を求めましたが、相手方がこれに応じなかったことから、離婚後、相手方の給与を差し押さえるなどしてその全額を回収しました。
さらに、当事務所の弁護士は、依頼者と協議の上、離婚訴訟を提起する準備を進めていましたが、面会交流調停が成立するにあたって、改めて離婚する意向の有無を相手方に確認したところ、子どもの親権を依頼者が取得する内容での離婚に応じ、また、離縁にも応じる旨の回答があったため、結果的に協議で離婚、離縁が成立しました。
その他、離婚後に養育費の支払を相手方に求めましたが、相手方がこれに応じなかったことから、養育費請求調停を申立てました。
その結果、養育費については、月額3万5000円とする内容で、調停が成立しました。
5 解決のポイント(所感)
相手方が自身のモラハラ等の言動を十分に顧みず、離婚を頑なに拒んでいるような場合には、離婚訴訟まで見据えて対応していく必要があります。
もっとも、場合によっては、本件のように、離婚訴訟を提起することなく離婚が成立する場合もあります。
離婚に関してお悩みの方は、一度、当事務所の弁護士にご相談いただければと存じます。
6 お客様の声
依頼してから長い期間となってしまいましたが、最後まで丁寧な対応でとても安心して頼めました。
本当にありがとうございました。
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