養育費を支払う側が再婚した場合には、再婚相手を扶養する義務が生じます。
また、再婚相手との間に子どもが生まれれば、その子どもを扶養する義務も生じます。
そのため、養育費を支払う側が養育費の減額を請求すれば、減額が認められる可能性があります。
【関連Q&A】
●元夫が再婚したら、もらっている養育費の額に影響しますか?
養育費の「算定表」には、養育費を支払う側が再婚した場合のものはありません。
以下では、養育費を支払う側が再婚した場合の養育費の計算方法について、事例をもとにご説明させていただきます。
なお、以下の説明は、「算定表」の元となる「標準算定方式」を前提とする内容です。
「標準算定方式」については、次のQ&A記事をご参照ください。
●養育費の標準算定方式による計算方法は?
【事例】
元夫の年収(給与)が400万円である。
元妻の年収(給与)が200万円である。
4年前に離婚した元夫と元妻の間には、6歳の子どもAがいる。
元夫は元妻に対し、月額4万円の養育費を支払ってきた。
しかし、元夫は再婚相手と1年前に再婚し、元夫と再婚相手との間に子どもB(0歳)が最近生まれた。
再婚相手は専業主婦である。
元夫は元妻に対し、子どもBができたため、養育費の減額を求めた。
減額された場合の養育費の金額は、どのように計算されるか?
上記の事例では、「標準算定方式」により、以下のように計算されます。
①元夫・元妻それぞれの基礎収入を計算する。
・元夫の基礎収入:400万円×42%=168万円
・元妻の基礎収入:200万円×43%=86万円
②仮に養育費の支払義務者が子どもと同居していた場合の子どもの生活費を計算する。
・夫・再婚相手・A・Bの生活費指数の合計:100+62+62+62=286
※再婚相手の生活費指数は、元夫と同居しているため、0~14歳の生活費指数と同数の62とします。なお、再婚相手がパート程度以上(年収100万円程度以上)の収入がある場合には、生活費指数は0とされます。
・Aの生活費指数:62
・計算:168万円×62/286≒36万4000円
③上記②で計算した子どもの生活費を夫婦ぞれぞれの基礎収入で按分し、養育費の支払義務者が支払うべき養育費の年額を計算する。
・計算:36万4000円×168万円/(168万円+86万円)≒24万円
④上記③で計算した養育費の年額を12か月で割り、養育費の月額を計算する。
・計算:24万円÷12か月≒2万円