事案内容:親権
依頼者:40代の女性(会社員)
相手方:40代の男性(会社員)
結婚歴:18年
子ども:2人

1 夫婦の状況

依頼者は、夫の仕事の欠勤の多さ、浪費、子どもに対するモラハラ等を理由に、離婚を考えていました。

当初は、2人で協議をしていましたが、思うように進みませんでした。
後日、双方の親を交えて話し合う場を設けましたが、議論は紛糾し、収拾がつかなくなってしまいました。

その結果、当面の間、2人の子どもは、夫(の実家)で生活することになりました。

2 相談・依頼のきっかけ

依頼者は、自ら、離婚調停を申し立てましたが、夫が弁護士をつけたことで、今後の対応をご相談されたいということで、当事務所にご相談に来られました。

当事務所の弁護士は、子どもを取り戻すためには、監護者指定及び子の引渡し審判、審判前の保全処分を家庭裁判所に申し立てる必要があることをご説明いたしました。

そして、ご相談の結果、これらの手続および離婚調停・婚姻費用分担調停の対応を一括してご依頼いただくこととなりました。

3 当事務所の活動

当事務所の弁護士は、ご依頼いただいたあと、速やかに、家庭裁判所に監護者指定及び子の引渡し審判、審判前の保全処分を申し立てました。

また、離婚調停は、すでに依頼者が申立て済みのものを引き継ぎ、婚姻費用分担調停は新たに申立てを行いました。

4 当事務所が関与した結果

申立てから数日後、夫は、代理人弁護士を通じて、任意の引渡しに応じる旨連絡をしてきました。
これにより、審判外での子の引渡しが実現しました(それに伴い、審判は取り下げました。)。

その後、当事務所の弁護士は、離婚調停及び婚姻費用分担調停において、親権、婚姻費用・養育費や財産分与などに関する話し合いを続けました。
具体的には、子どもの親権者を依頼者とすること、適正額の婚姻費用・養育費を支払うことなどです。

そして、当事者双方が離婚の諸条件に合意するに至ったところで、裁判所から調停に代わる審判が出され、決着となりました。
これにより、依頼者のご希望通りの内容で解決することができました。

5 解決のポイント(所感)

子どもが囲い込まれたり、無理やり連れ去られたりした場合、子どもを取り戻すためには、速やかに監護者指定及び子の引渡し審判を申し立てる必要があるのが通常です。

また、審判が出されるまでに時間を要することが通常であるため、同時に審判前の保全処分を申し立てるのが通常です。

これらの申立ては、必要な証拠の収集・選択、主張・理由付け等には困難が伴うため、専門家である弁護士にご相談・ご依頼いただくことをお勧めいたします。