円満調停とは、夫婦関係が円満でなくなった場合に、円満な状態に回復するための家庭裁判所における調停手続のことを言います。
円満調停では、調停委員が仲介者となり、夫婦双方から事情を聞きながら、夫婦不和の原因がどこにあるのか?その原因をどうすれば取り除くことができるのか?など、夫婦関係の改善に向けた話し合いが行われます。
円満調停では、夫婦がお互いに顔を合わせることなく、個別に調停委員に事情を説明し、主張などを伝え、調停委員の質問に答えるなどして、手続が進められます。
夫婦の一方が調停委員と話をしている間、もう一方は別室で待機となり、夫婦が同じ部屋に同席することは基本的にありません。
このように、夫婦が面と向かって議論をするのではなく、第三者を仲介した話し合いであるため、感情的になることなく、冷静に話し合うことができるというメリットがあります。
また、調停委員は、夫婦双方の話を聞いたうえで、第三者として客観的なアドバイスや解決案の提示をしてくれるでしょう。
このように、第三者の客観的な意見を聞くことができるのも、円満調停のメリットです。
一方で、円満調停を申し立てたとしても、必ずしも夫婦が円満な状態に回復するとは限りません。
裁判所の統計では、夫婦関係・同居を継続することで解決となった割合は2割を下回っており、成功率が高いとは言えません。
配偶者の離婚の意思が固まっていなければ、関係修復の糸口が見つかる可能性はあるでしょう。
しかし、配偶者の離婚の意思が固ければ、夫婦関係を円満な状態に回復することは困難ですし、円満調停をきっかけに配偶者から離婚調停を申し立てられる展開も少なくはありません。
その結果、離婚の方向で手続が進んでしまう事態もあり得ます。