親権者変更については、簡単に認められるものではありませんが、認められ得る類型がいくつか存在します。
親同士で親権者変更に合意ができている場合、養育環境に重大な問題が発生している場合、一定年齢以上の子どもが親権者変更を希望している場合です。
1 親同士で親権者変更に合意ができている
親同士が親権者変更に合意しており、変更後の親権者のもとでの養育環境に大きな問題がなく、子どもが強く拒否しているなどの事情がなければ、比較的スムーズに親権者変更が認められると考えられます。
2 養育環境に重大な問題が発生している
子どもが親権者からの虐待やネグレクトを受けて児童福祉施設に入ったとか、親権者が死亡したなど、養育環境に重大な問題が発生している場合には、親権者変更が認められ得るでしょう。
ただし、親権者が死亡した場合であっても、養育環境に特段の問題がなければ、同居している祖父母などが親権者として指定され、実親が親権者として指定されないこともあり得ます。
3 一定年齢以上の子どもが親権者変更を希望している
子どもが親権者との生活に不満を感じ、親権者変更を希望するケースもあります。
子どもが小学校高学年以上など、自分の意思を持つ年齢なのであれば、子どもの意思が重視されます。
また、子どもが15歳以上であれば、法律上、親権者変更の審判において、子どもの意思を聴かなければならないものとされています。
このように、一定年齢以上の子どもが親権者変更を希望している場合は、変更が認められる可能性が高いと言えます。