裁判官は、家庭裁判所調査官の調査結果(調査報告書)を重要な判断材料として、監護者や親権者を決めます。
そして、裁判官は、その調査官の意見(どちらが監護者であるべきか、あるいは親権者であるべきか)と一致した判断をすることがほとんどです。
調査官は、調査が終了すると、どちらの親が監護者・親権者として適切であるかについて、調査官としての意見を記載して「調査報告書」を作成し、裁判官に提出します。
つまり、調査官は、裁判官が監護者・親権者の判断をするために、必要な事実の調査のみならず、どちらの親が監護者であるべきか、あるいは親権者であるべきかという評価にかかる部分まで、調査官の意見として裁判官に報告をします。
そして、裁判官自身が子どもを直接に観察するわけではありませんから、この調査官の調査結果(調査報告書)が、かなり大きな影響力をもっていて、裁判官は調査官の意見と一致した判断をすることがほとんどである、ということになるわけです。
ですから、子どもの監護者や親権者の争いをしているときには、調査官調査への対応が非常に重要となります。
自分に不利な調査結果(調査報告書)とならないように、調査官による調査に対しては、十分な準備をしなければなりませんし、調査官による面談などでは、自分がいかに子育てに尽力してきたかの実績などを十分に伝えるべきです。
もし、自分に不利な調査結果(調査報告書)が出てしまった場合には、調査報告書の内容に対し、事実の誤りを細かい事柄でも全て指摘する、その評価の誤りを指摘する、結論に至る論理の矛盾を指摘するなど、あらゆる主張を展開して、裁判官に対して、調査報告書の内容(調査官の意見)に疑問を持たせることが必要となります。