家庭裁判所調査官は、家庭裁判所で取り扱っている事件について、行動科学などの専門的な知見や技法を活用して、家庭内の紛争解決に向けた調査活動等を行っている裁判所の職員のことをいいます。
1 家庭裁判所調査官の職務
家庭裁判所調査官は、紛争の当事者や、その子どもと面接して、問題の原因や背景を調査し、必要に応じ、学校、児童相談所、社会福祉施設などとの連絡や調整を行いながら、当事者やその子どもにとって最も良いと考えられる解決方法を検討して、これを裁判官に報告します。
また、気持ちが動揺していたり、混乱している当事者に対しては、冷静に話し合いができるよう、カウンセリングをして心理的に援助したり、実際に調停の期日に立ち会い、当事者間の話し合いがスムーズに進むように手助けすることもあります。
2 家庭裁判所調査官の立場
家庭裁判所調査官は、裁判所という法律を取り扱う機関において、心理学、教育学、社会学などの行動科学の専門的な知識や技術を活用して、当事者や、子どもに寄り添う立場から、調査活動を行い、これを裁判官に報告します。
裁判官は、当事者の主張や、提出した証拠のみならず、家庭裁判所調査官の報告も参考にして審理を進めるため、裁判官と当事者をつなぐ、第三者的な立場ということができるでしょう。