生活費、子どもの学費、自動車、住宅など、結婚生活に関連する借金は、財産分与において考慮されます。
一方で、結婚前からの個人的な借金、結婚後でも個人的な趣味やギャンブルなどのための借金は、財産分与において考慮されず、借金をした人が個人の責任で負担することとなります。
結婚生活に関連する借金がある場合、財産分与は次のように計算します。
まず、財産分与の対象となる財産に、プラスの財産である資産(預貯金、自動車、不動産など)とマイナスの財産である借金とがある場合は、資産の総額から借金を差し引いた残額に分与割合を掛けて分与額を決定するのが一般的です。
例えば、資産が預貯金500万円、自動車100万円(時価額)、住宅1000万円(査定額)の合計1600万円、借金が住宅ローン800万円という場合は、分与額は次のような計算になります。
(1600万円-800万円)×2分の1=400万円
なお、住宅の価値が1000万円に対し、住宅ローンが2000万円残っているなど、オーバーローン(住宅ローンの残高が住宅の価値を上回ること)の場合には、住宅および住宅ローンは除外して財産分与を計算します。
例えば、オーバーローンの住宅および住宅ローン以外に、資産が預貯金500万円、自動車100万円(時価額)の合計600万円、他に借金がないという場合は、分与額は次のような計算になります。
600万円×2分の1=300万円
一方で、借金のみの場合あるいは借金が資産の総額を上回る場合は、その借金あるいは資産の総額から借金を差し引いたマイナスの部分が財産分与の対象になるかどうかが問題となりますが、これは対象とならないと考えるのが一般的です。