財産分与の対象となるのは、夫婦の協力関係で形成されたと認められる財産だけです。
これを「共有財産」と言います。
相続で得た財産や親からもらった財産は、夫婦の協力関係とは無関係のものです。
そのため、「特有財産」として、財産分与の対象にはならないのが原則です。
ただし、夫婦の一方が遺産などで得た財産の維持について、もう一方が特別な貢献をした場合には、財産分与の対象となり得ます。
なお、特有財産であるかどうかに争いがある場合には、特有財産であると主張する側が特有財産であることを証明しなければなりません。
遺産分割協議書や贈与契約書のほかに、不動産であれば登記名義、預金であれば通帳や取引履歴、株式であれば名義書換の記録などにより、相続で得た財産や親からもらった財産であることが立証できるでしょう。
特有財産であることを立証できない場合には、共有財産として財産分与の対象となりますので、注意が必要です。