調停離婚や裁判離婚で養育費が決められたのであれば、家庭裁判所に履行勧告や履行命令を出してもらう方法があります。
履行勧告は、家庭裁判所が相手方に養育費の支払を指導(勧告)する制度です。
履行命令は、家庭裁判所が相手方に一定の期間内に養育費の支払をするように命令する制度で、違反者は制裁(10万円以下の過料)の対象となります。
しかし、いずれも、強制的に支払わせることはできません。
また、調停離婚や裁判離婚で養育費が決められた場合で、相手方が養育費の支払をしないときは、相手方の給料や財産を差し押さえる強制執行をすることが考えられます。
協議離婚で養育費が決められた場合は、強制執行をするためには、原則として養育費の支払を請求する裁判を起こし、勝訴判決を取ったうえでの強制執行となりますが、公正証書で離婚協議書を作成し、強制執行認諾条項(支払を怠った場合に、直ちに強制執行を行うことに同意するという内容の条項)を付けておけば、裁判をする手順を省いて強制執行をすることが可能です。