相手方がモラハラ(モラルハラスメント)の事実を認め、任意に慰謝料を支払ってくればよいのですが、そのようなことはほとんどありません。
そうなると、慰謝料を請求するためには、証拠によってモラハラの事実を証明しなければなりません。
証拠によってモラハラの事実を裏付けられれば、慰謝料の請求が認められるでしょう。
しかし、実際には証拠の提出が難しいケースが多いでしょう。
まず、相手方が自分の言葉や行動・態度の非を認め、慰謝料を支払ってくればそれで問題はありません。
しかし、モラハラをする人というのは、外面を非常に気にしますし、自らの非を認めない傾向が強いため、任意に慰謝料を支払ってくる展開になることはまずないでしょう。
そうなると、慰謝料の請求が認められるためには、証拠によってモラハラの事実が存在することを証明する必要があります。
「言った、言わない」で証拠がないという状況では、慰謝料の請求を通すことはできないのです。
この点、モラハラの言動を録音した音声データやLINE・メールの記録など、有力な証拠があり、モラハラの事実を裏付けられるという場合には、慰謝料の請求が認められるでしょう。
しかし、モラハラは、家庭内で行われるものであるため、第三者の証言を得られないのが通常であり、相手方の言動を日々録音しておくというのも現実的ではありません。
実際には、モラハラの証拠を揃えることが難しいケースが多いでしょう。
このように、モラハラを理由として慰謝料を請求することは、一般的にはハードルが高いということになります。
慰謝料の請求にはあまりこだわらずに、離婚を成立させることを優先させた方がよいというケースが実際には多いでしょう。