うつ病などの精神疾患があったとしても、監護の意欲・能力に問題がないと判断されれば、子どもの親権者となることができます。
ただし、精神疾患のために監護の意欲・能力に乏しいようであれば、子どもの親権者として相応しくないと判断されることがあります。
子どもの親権が争いとなる場合には、①これまで主に育児を担ってきた方を優先する、②子どもがまだ幼い場合には母親を優先する、③中学生以上など一定以上の年齢に達している場合には子どもの意思を優先する、④兄弟姉妹を離れ離れにしないようにする、などの原則があります。
また、親権の判断においては、監護の意欲・能力、養育の環境、資産状況など、様々な要素が考慮されます。
この点、うつ病などの精神疾患があることは、監護の意欲・能力に関連し得る事項です。
ひとことに精神疾患といっても、その症状および程度には様々なものがあり、精神疾患があるからといって、直ちに子どもの親権者として不適格ということにはなりません。
精神疾患があったとしても、その症状および程度がそれほど深刻なものではなく、監護の意欲・能力に問題がないと判断されれば、子どもの親権者となることができます。
一方で、精神疾患により最低限の育児を行うことも困難であるとか、精神疾患の影響で子どもに対する虐待・育児放棄・家出などの問題行動が見られるなどすれば、子どもの親権者として相応しくないと判断されることがあります。