調停委員は、家庭裁判所で取り扱っている調停事件において、当事者と一緒に紛争の実情に合致した解決案を考えるために、当事者双方の言い分を聞いて調停の手続を進めていく裁判所の非常勤職員のことをいいます。
調停委員に選ばれている人はどのような人か
調停委員は、一般的な市民が持つ良識を調停に反映させるために、弁護士、税理士、不動産鑑定士などの専門家のほか、その地域において幅広く活躍してきた人など、地域社会の様々な分野から選ばれています。
また、調停手続において、社会生活上の豊富な経験を反映させるために、調停委員は、原則として40歳以上70歳未満の人が選ばれています。
家事事件では、夫婦・親族間の紛争を取り扱うため、男女いずれにも公平に話し合うことができるように、原則として調停委員の男女各1名ずつが、調停手続に立ち会うこととなります。
調停委員の職務
調停手続は、当事者が調停委員を挟んで話し合いをします。
調停委員は、当事者双方の言い分を聴いて、当該紛争の実情を把握し、紛争の実情に合致した解決案を考える手助けをします。
裁判官も調停手続に関与しており、大まかな方針については、裁判官と調停委員とで話し合っています。
もっとも、実際に裁判官が調停期日に参加するのは、調停において合意がまとまりそうなときなど、限られた場面でしか参加しないことが多いです。
そのため、実際の調停手続においては、調停委員が進行を担っており、調停手続において重要な役割を果たしているといえるでしょう。
調停委員についての留意点
調停委員のなかには、研修などで得た最低限の法律知識しか持っていない人もいます。
また、調停委員のなかには、当事者の言い分を十分に聞いてくれない調停委員もいるという話を耳にします。
ご自身で調停手続を進めている最中であっても、疑問点や不安な点があれば、一度離婚問題に精通した弁護士にご相談されることをお勧めします。