夫婦が使っていた家具や家電のうち、結婚してから夫婦で購入したものは、財産分与の対象となります。
その分与の方法については、いくつかのパターンが考えられます。
離婚の際の財産分与と言うと、預貯金や不動産を思い浮かべる方が多いですが、家具や家電も財産分与の対象となります。
ただし、財産分与の対象は、結婚してから夫婦で購入したものに限られます。
したがって、夫婦の一方が結婚前に買って使っていた家具や家電は、財産分与の対象とはなりません。
また、結婚中であっても、例えば、妻の両親が、自分の子である妻のために買い与えた家具や家電も、財産分与の対象とはなりません。
ところで、財産分与の対象となる家具や家電は、預貯金のように2等分にすることができません。
代表的な分与の方法としては、次の3パターンが考えられます。
①話し合って、それぞれに振り分ける方法
財産分与の対象となる家具や家電のリストを作り、このリストをもとにして話し合って、家具や家電ごとに、夫婦のそれぞれに振り分けていく方法です。
例えば、夫はテレビ・ソファーを受け取り、妻は冷蔵庫・ベッドを受け取るという方法です。
②売却・現金化して分ける方法
離婚後は使わない(使いたくない)という場合は、売却して現金化し、その現金を夫婦で分けるという方法です。
③夫婦の一方が取得し、他方へ一定額を支払う方法
購入したばかりの大型テレビやアンティーク家具などの高価な家具や家電は、離婚の際の時価を算定して、一方が家具・家電を取得し、その代償金(時価の2分の1のお金)を他方に支払うという方法が考えられます。
例えば、時価20万円の大型テレビを夫が取得し、その代わりに夫が妻へ10万円を支払うという方法です。
通常の家具や家電の場合では、購入後使用を続けていくうちに価値が損なわれていって時価は高いものとはならないため、一方が取得し、代償金は支払わない(他方は代償金の支払を求めない)ということも実際は少なくありません。