家庭裁判所で養育費・婚姻費用を算定する際に活用されている表が見直されました。

家庭裁判所で養育費・婚姻費用の算定をする際に活用されている表は、縦軸に支払う側の親の年収、横軸に受け取る側の親の年収として、それぞれの年収額が記されており、双方の年収額が交わる点で養育費・婚姻費用の額を確認するものです。
表は子どもの有無・人数と養育費・婚姻費用の別によって19種類あり、ご自身に当てはまる表を選び、確認していくこととなります。

【養育費の算定表の例】
■子1人表(子0~14歳)
■子1人表(子15歳以上)
■子2人表(第1子及び第2子0~14歳)
■子2人表(第1子15歳以上、第2子0~14歳)
■子2人表(第1子及び第2子15歳以上)
※このほかにも、様々なパターンでの算定表があります。

【婚姻費用の算定表の例】
■夫婦のみの表
■子1人表(子0~14歳)
■子1人表(子15歳以上)
■子2人表(第1子及び第2子0~14歳)
■子2人表(第1子15歳以上,第2子0~14歳)
■子2人表(第1子及び第2子15歳以上)
※このほかにも、様々なパターンでの算定表があります。

新しい算定表は2019年12月23日に公表され、裁判所のホームページで閲覧することができます。
今回、養育費・婚姻費用の算定表が見直されたのは、以前の表が作成された2003年から16年以上経過しており、税金や社会情勢が大きく変化していることから、これに対応させる必要があったことなどが理由です。

養育費・婚姻費用の算定表が見直されたことで、変更がないケースも一部ありましたが、以前より減額しているケースはなく、ほとんどの場合で増額しており、年収によっては以前に比べて最大6万円増加しているケースもあります。

なお、今回の養育費・婚姻費用の算定表の見直しが、「養育費等の額を変更すべき事情変更には該当しない」との検討結果が示されています。
そのため、すでに養育費・婚姻費用の支払額について決まっている場合には、算定表が見直されたことのみを理由として養育費・婚姻費用の増額を裁判所に申し立てても、この理由のみで増額されないこととなります。
見直された養育費・婚姻費用の算定表が用いられるのは、まだ養育費・婚姻費用の支払額について決まっていない場合と、既に養育費・婚姻費用が決まっているものの、養育費を受ける側の収入が減った、養育費を支払う側の収入が増えたなどの事情がある場合に限られることとなります。

(弁護士・畠山賢次)

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